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アプリケーションノート3242

GPSとDGPSの概要、およびRFフロントエンドの全体設計

要約:このアプリケーションノートでは、GPSとDGPSシステムの機能の概要について説明します。ここでは、MAX2742、MAX2744、およびMAX2745 GPSレシーバICについて述べ、さらにGPSモジュールの全体設計(MAX2742とソニーCXD2932を使用)について説明します。

パート1:GPSの概要

全地球測位システム(GPS)は、6つの軌道に配置された24の衛星を利用します。これらの衛星は、赤道に対して約55度の傾斜角度で1日に2度、地球の周りを旋回します。衛星は、高周波数(1500MHz帯域)で、位置情報とタイミング情報を符号化して連続的に送信します。

地上のGPSレシーバが信号を受け取り、符号化された情報を使用して地球座標系での位置を計算します。レシーバは、各衛星から送信される無線信号がレシーバに達するまでの時間を計算することで、位置を判定します。この時間に光の速度を乗じると、ユニットが各衛星からどれだけ離れているかがわかります。距離 = 速さレート x 時間ということです。時間は、GPSレシーバ内の巧妙な符号マッチング手法を使用して求めます。各衛星の位置は、その送信信号の中に符号化されています。これらのデータを用いて、レシーバは三角測量にて地球上での位置を計算することができます。

差動GPSで精度が向上

差動GPS(DGPS)は、位置情報が既知である高性能のGPSレシーバ(基準局)を使用して、数メートル以内にGPS精度を向上します。基準局のレシーバは自分の正確な位置を知っているため、衛星信号の誤差を求めることができます。追跡した各衛星の誤差データは、補正メッセージとしてフォーマットされ、GPSユーザに送信されます。これらの差動補正は次にGPSの計算に利用され、衛星信号の大部分の誤差を取り除いて精度を向上します。

GPS信号は、世界中で利用可能で、地球上のどこにいてもその位置を正確に特定することができます。GPS製品は、多くの商用アプリケーションに向けて開発されてきました。その技術が継続的に向上するにつれ、GPSの価格とサイズが極めて重要になります。

パート2:マキシムのICソリューション

MAX2742/MAX2744/MAX2745は、高性能CMOSシングルチップGPSフロントエンドダウンコンバータのファミリです。これらの最先端デバイスは、非常に低消費電力であり、かつ、高価なIF SAWフィルタや、かさばるディスクリートのIFバンドパスフィルタを使用する必要がありません。これらの各デバイスは、完全集積型の低ノイズアンプ(LNA)、ミキサ、BPF、自動利得制御(AGC)アンプ、局部発振器シンセサイザ、クロックバッファ、及びディジタルサンプラを内蔵しています。

MAX2742/MAX2744/MAX2745は、車載ナビゲージョン、テレマティクス、自動セキュリティ、資産管理、位置情報サービス(LBS)、及び家庭用電化製品などのアプリケーション用に市販されている多くのGPSベースバンドICとの接続が可能です。これらのデバイスは、最小限の外付け回路で、完全なGPS RFソリューションを提供することができます。以下の項にシステムのブロック図を掲載しています。

MAX2742は、18.414MHz(18 x 1.023MHz、1.023MHzはGPSの基本周波数である10.23MHzの1/10)の水晶またはTXCOで動作し、1.023MHzにて差動またはシングルエンドのIF出力を提供します。MAX2744は、16.367MHz(16 x 1.023MHz)の水晶/TCXOまたは32.736MHzの水晶/TCXOで動作します。MAX2744は、中心周波数が4.092MHzの差動またはシングルエンドのディジタルIF出力を提供します。

MAX2745はMAX2744の改良版で、電圧ブースタ、温度センサ、VCOトリミングコンデンサなどの機能が追加されています。

以下の表1にICの選択ガイドを示します。詳細については、MAX2742/MAX2744/MAX2745のデータシート及びEVキットのデータシートを参照してください。

表1.CMOS GPS RFフロントエンドレシーバICの選択ガイド
  Supply Voltage Supply Current Reference Clock IF Frequency Conversion Gain Noise Figure IIP3 P1dB
MAX2742 2.3 to 3.6V 13.8mA 18.414MHz 1.023MHz 120dB 4.5dB -12dBm -50dBm
MAX2744 1.6 to 3.6V 15mA 16.367MHz /32.736MHz 4.092MHz 120dB 4.5dB -15dBm -50dBm
MAX2745 1.6 to 3.6V 17mA 16.367MHz /32.736MHz 4.092MHz 120dB 4.5dB -15dBm -50dBm

GPS RFフロントエンドの全体ソリューション

以下のブロック図は、マキシムのGPS RFソリューション全体の、重要な構成要素と機能を示しています。構成要素の詳細については表2を、カスケード接続したときの性能については表3をご覧ください。

表2.システムブロック図
Block Description Note
GPS Antenna Active GPS antenna, commonly has ~1.5dB NF and ~20dB gain  
LNA MAX2641/MAX2654/MAX2655 LNA External LNA is required when Active GPS Antenna is be present.
RF SAW RF Band-Pass Filter centered at 1575.42MHz RF BPF is required for jammer immunity
Power Management MAX8510 Low Noise LDO  
RF Downconverter MAX2742/MAX2744/MAX2745  
Reference Clock 18.414MHz (MAX2742) or 16.367MHz (MAX2744/MAX2745) crystal/TCXO  
DSP Base-Band Processor  

表3.カスケード接続したシステム性能
Spec Cascaded Performance Note
Gain 131dB Without Active Antenna, assuming 15dB external LNA gain, 3dB BPF loss and 1dB matching network loss
Noise Figure 1.9dB Without Active Antenna, assuming 1.5dB external LNA NF
Power Consumption 20mA MAX2744+MAX2654 as example

パート3:マキシムGPSレシーバモジュール

マキシムは、コスト効率に優れた高性能のGPSレシーバモジュールを用意しています。以下に示すモジュールは、MAX2742 RFダウンコンバータ及びソニーCXD2932ベースバンドICを使用しています。この2チップ構成のシステムによって、地球上のどこにいてもその位置を測定することができ、小型で軽量なソリューションを実現します。

図1.
図1.

完全なシングルチップの全地球測位システム(GPS)RFフロントエンドであるMAX2742は、多くの革新的なRF CMOS設計技術を採用しています。この高性能の最先端デバイスは、非常に低消費電力であり、かつ、高価なSAWや、かさばるディスクリートのIFフィルタを使用する必要がありません。MAX2742は、完全集積型の低ノイズアンプ(LNA)、IFセクション、ディジタルサンプラ、及び局部発振器シンセサイザを内蔵しています。MAX2742の想定入力信号は、L1 GPS信号の1.57542GHzです。このデバイスは、高精度の出力量子化をサポートし、GPSレシーバとして得られる最高性能を実現しています。

表4. マキシムGPSレシーバモジュールの性能
PARAMETER SYMBOL TEST CONDITIONS TYPE UNITS
Power Supply Vcc     V
Current Consumption Icc   110 mA
Sensitivity Sens Acquisition -138 dBm
Tracking -145
TTFF TFC Cold Start 58 s
TFW Warm Start 45
TFH Hot Start 17
Position Drift range PR 95% possibility 100 ft

このマキシムGPSレシーバモジュールには、以下の利点があります。
  • 16チャネルのGPSレシーバで、16の衛星信号を同時に受信可能
  • 一括表示測定または2衛星測定
  • DGPS(差動GPS):サポート
    • RTCM SC104バージョン2.1
    • DARC BTA R-003
  • パワーマネジメント機能
  • 小型で軽量のパッケージタイプ:1024mil x 1024mil

参考資料:

1) Description of GPS and DGPS from Starlink, Inc.

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その他の情報  APP 3242: Jan 20, 2005
MAX2742 シングルチップ全地球測位システムレシーバフロントエンド フルデータシート
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